気配を消すという僕の特技について。

今日は僕の7つの特技の内のひとつを紹介します。
僕は「気配を消す」という特技を持っています。これは物陰に隠れたり、こっそり侵入して人を驚かせるのに効果的な特技です。
気配を消す、というのは実は意外と難しく、僕が思うに幼少の頃から修行をしなければ、身につける事は困難だと言えます。習得には、英才教育か生まれ持った資質が必要です。
僕は、どちらかと言えば前者で、英才教育によってこの特技を身につけました。

気配を消す特技を身につけるために僕が受けた英才教育。

僕が受けた英才教育は、散髪です。僕は物心ついた頃から、祖父に髪を切ってもらっていました。
ただ、祖父は床屋ではありません。今の僕は、何故、祖父が僕の髪を切っていたのかを知るよしはありませんが、この祖父による散髪が気配を消すための修行として機能していたのです。
散髪中は、動く事をを許されません。ぴくりとでも動けば祖父が動くなと叱責します。しかし、散髪は10分そこらでは終わりません。多感で落ち着きのない幼稚園児が散髪が終わるまでの間、ぴくりとも動くことを許されないのです。
これは想像を絶する拷問で、動くと耳をちょん切ると脅され、通常であれば恐怖で震えるところですが、それすらも許されずじっと自分を律し続けました。
幼少の頃、散髪するぞと言われると、心の底から拒否していたのを思い出します。

動かないために、自分の気配を消す事を覚える。

じっとしてみると良く分かりますが、動けない5分は永遠とも思える長さです。それなのに、30分以上も動かないようにするには、何かしらの技が必要となります。
そこで、幼少の僕が自然と身につけたのが気配を消すという技でした。
気配を消す、または気配を断つとも言えますが、これを覚えると30分でも1時間でも動かずに、じっとしていられる事が分かりました。これは、まさに獲物を狙う獣と同じと言えます。彼らも標的がスキを見せるまで30分でも1時間でも耐えます。
気配を消すというと、静かにしている事と勘違いされるかもしれませんが、それだけではなく、動かずに耐えるための術でもあるのです。

気配を消すコツ。

気配を消すコツは呼吸にあります。
まず、腹式呼吸に切り替えます。できるだけ静かに呼吸をします。止められるなら息を止めます。そして周囲に気を配ります。肉体から精神を外していきます。
すると、周囲をしっかり見つつ、抜け殻となったような自分になれます。これが気配を消す第一歩です。

気配を消せるメリット。

気配を消せるからと言って、これと言って大きなメリットはありません。
僕は小学生の頃、通学したと見せかけてコタツの中に潜んで学校をサボったことがありました。狭いアパートで、親に気付かれないように家に戻りコタツに潜むのは神業と言えますが、現代ではやはりあまり役立つとは言えません。
しかし、まったく使えないかと言えば、そうでもなく、意外と細かいところで使ったりしているのですが、どういった場面でどういった意図で使っているのかの説明が難しいので割愛します。
というわけで、今日は僕の特技のひとつ気配を消すを紹介しました。