KING OF BANDIT JING / 熊倉裕一

『俺はマンガが好きだから紹介しよう』という他愛のないカテゴリですが、するからには他には無さそうなものを紹介しなければつまらないだろう。しかし、今回はそんなにマイナーではない。というか、俺は別にマイナーなマンガは読んでいない。ってか、マイナーなマンガと言うのは失礼だろう。やから、『マイナーかも』って思っても口にはしない。
前置きはこれぐらいにして、今回取り上げた『KING OF BANDIT JING』は現在、マガジンZとかいうい雑誌で連載しており、5巻まで単行本が発売されている。さらに、前身としてボンボンで連載していたときの『王ドロボウ JING』というのが、全7巻あり、同一の世界の話です。ちなみに、どちらも講談社の出版です。
僕が小学生のときに連載が始まったので、結構息の長い作品になってきましたが、当初そんなに長く続くとは思いませんでした。それは、掲載誌がボンボンという小学生対象のものなのに、話がハードボイルドのように、渇いていやがるんです。俺は楽しんでいましたが、まあよくあの当時7巻も続いたもんです。で、しばらくお休みした後に、マガジンZとかいう雑誌の創刊に伴って復活したはず・・。いや、復活の事をしばらく知らなかったので、微妙に知らないところがありますが、たしかそんなとこです。
で、注目は絵と世界観と話ですかね。いや、それじゃあ全部かもしれないので、詳しく解説。
絵と初めに言いってしまうとそれだけか〜と思う方もいるかもしれませんが、この人は本当に絵がものすごいんです。初めに絵を挙げなきゃあ嘘になってしまいますぜ。って訳でその独特で洗練された絵から生み出される世界観。登場人物すべてが、濃厚かつ、渇いていらっしゃるのよ。さらさらと話が流れて、それは紙芝居で御伽ばなしを見ているようです。そのため、ディープなファンが根強いようで、終わりそうで、意外と繁盛しているもよう。
ちなみに、様々なネーミングに古今東西の酒の名前を使っていらっしゃるので、それを見ているだけでも、酒好きには楽しいかもしれないですね。それ以外にも、色々茶目っ気が隠されていたり、本編以外も見所たくさんです。一度はまったら病み付きになる、この美酒を一度お試しあれ。

ISBN:4063490033