Google は Facebook に食われてしまう!という過激な主張。
先日、ふと書いたはてブがTwitterに、はてなスターが facebook いいね! に食われてきた。という記事が、ちょっとだけアクセスを集めて、その後はてブ衰退論 - Life like a clownという別の考察記事も出てきました。
それぞれ、現状認識と未来予測であるので、実際にどうなるのかは未来に任せますけども、先の記事の最後の文面に興味を持ったので、それについて書きます。
どんなに便利でも、消えるサービスは消える。
最近の例で言うと「Google は Facebook に食われてしまう!」のような過激な主張をする人が必ず現れるように,大きな流行が来ると「これまでのサービスは全て駆逐されてしまう」と言う論争は起こりがちです.しかし,既存の Web サービスだって駆逐されないように改良されていきます.そのため,そう言った極端な事が発生するのはまぁ稀な方だろうと言うのが個人的な感想です.
Web サービスだって駆逐されないように改良されていきますという部分、これについては半分同意見で半分意見が違います。
長く書いても仕方がないので、完結に纏めると、一部の人にとって最高に便利なサービスでも、どうしようもない理由によって退場を余儀無くされてしまう可能性があるということです。
Google は Facebook に食われてしまう!のような過激な主張をする人がという話が出ていたので、折角なので、それを題材にしながら僕の考えを纏めてみます。
ベンチャーは努力だけではなく時代に愛される必要がある。
結局のところ、時代というフェーズは無情にも様々なものを変えます。GDP では中国が日本を抜きましたが、これも時代ですよね。
Google が検索でインターネットの世界を変えたし、PC の SNS で mixi に負けた GREE が、携帯にターゲットをシフトして盛り返しました。大事なのは未来を予測することと良く言われますが、これは現場で携わる者だけの努力ではどうしようもありません。
なぜDECは市場から撤退しなければならなかったのか。という吉岡さんの記事からも、時代を予測することの難しさが垣間見れますし、個々の能力、パフォーマンスだけでは成長しないというのを、はてなの近藤さんも語っています。
ベンチャーには、いかに優秀な開発者が揃っていても、時代に愛されなければ消滅するかもしれないという恐怖がつきまとっています。
Google、今もなお品質を求める凄さ。
Facebook の成長に注目が集まりますが、Google のサービスの成長、そして貪欲さにも日々驚かされます。
これは、iPhone の Safari でソーシャルネットワークと検索したときの画像です。結果の最初に近隣の映画館の上映時間がリストアップされていました。検索はまだ全然ダメだという TechCrunch の記事もありますが、Google は百も承知で、日々改良を続けているというわけです*1。
Facebook が Google を食う可能性。
Facebook は Facebook 文化圏において、既にブラウザのホームページとなっているところです。日本の多くの人にとっての Yahoo! JAPAN、そしてインターネットを良く使う人にとっての Google、もしくは iGoogle の地位が今では、Facebook になってきたという形です。
Facebook が Google を食うとすれば、Facebook 内で「Google とは別の、Google 以上に」優れた検索機能を与えてあげることです。これで Facebook 文化圏では、Google のシェアが大幅に減少します。もし、Google 以上の精度を誇る検索エンジンを開発したとしたら、Facebook に買ってもらうと世界が変わるかもしれませんね。
これは、Google が全力で開発を続けたとしても、時代が Google を愛してくれなれば、Google 検索も消滅するというひとつの可能性です。
核を持つ、可能性の目を潰す、状況を楽しむ。
最後に、もうちょっと冷静に周囲を見てみましょう。
Google が検索シェアを大きく落すと消滅するかと言えば、当然ながらそうはなりません。それは、YouTube などのコンテンツサービスや、Gmail などインフラサービスなど多く抱えているので、例え検索エンジンのシェアを大きく落しても、ただ指を咥えて消滅を待つだけではありません。
Microsoft が IE のシェア、Windows のシェアを落としたからと言って、消滅するわけではないのと同じようなものです。
いつだって追うものと追われるものに分かれて、急成長を遂げているものは注目を集め、追われる者は危機感を煽られます。そういった中で大事なのは、それぞれの状況を楽しめるかどうかではないかと考えます。
追う楽しみ、追われる楽しみ。両方とも、中の人にしか楽しむことのできない経験です。そういったものを楽しんで楽しんで、ストレスに感じるようになってきたのであれば、幕を引けばいいというわけです。
追記。
2011年2月25日にアルゴリズムにしがみつくGoogleは明日の検索でピープルパワーのFacebookに負ける という記事が TechCrunch に掲載されました。
ウェブの世界はほんとうに厳しい。
*1:最近では、よりパーソラナイズした結果を返すようになってきましたよね。