出版までの道のり 2016 出版社から選ばれる時代から選ぶ時代へ。
本を出版すると、人からよく「どうやって出版したんですか?」と聞かれました。もちろん、自分自身も出版するまで、どうすれば出版までこぎつけることができるのか、未知の道のりでしたので、質問する気持ちは良くわかります。
同様の質問として「どうやって会社を立ち上げられたのですか?」という質問もありますが、これも似たようなものです。どちらも回答としては同じで、結局のところ本を出したいのなら「まずは書く」、会社を立ち上げたいのであれば「まずは登記する」。つまりは行動ありきであることが、実際にやってみれば良くわかります。
ただ、出版の場合だと、書いたとしても「出版社を見つける」という重要かつ難しい課題が残されていました。しかし、最近この課題も重要ではなくなってきました。それは電子出版という選択肢が登場したからにほかなりません。
電子出版の現状。
もちろん、電子出版と紙の出版にはまだまだ大きな違いがあります。電子と紙を比べた場合のデメリットは以下のようなものがあります。
- 売上規模が違う 電子は紙の10%程度
- ターゲット層が限られる 20〜30代
- 編集(校正・校閲)を自身でしなければならない
- PR(宣伝)を自身でしなければならない
ただし、電子は紙に比べて、一切の費用的負担を掛けず、また出版社を選ばずに市場価値を問えるという、紙にはない魅力があります。
これを踏まえた上で、私が考える2016年からの出版への道のりを述べていきたいと思います。
出版への道のり
大筋の手順としては、次の通りです。
- テーマを決める
- 目次を作る
- 書く
- 画像素材を揃える
- 校正する
- 電子版を作成する
- 校正する
- Amazonで電子出版する
- 宣伝する
- 売上データをまとめる
- 出版社にコンタクトをとる
- 出版社を決める
方針としては『書きたいものを書く』という気持ちを最優先事項として、方法を考えます。その上で導かれる僕の中でのベスト方法が上記になります。
この方法の良いところは、電子である一定部数の売上を確保しておくことで、紙で出版した場合の売上規模を予測しておきます。そのため、出版社にとっても無名の著者であっても、リスクをとれるようにしておくことが肝要です。
出版社の人間もサラリーマン。
考えてみれば当たり前ですが、出版社の編集者も会社に所属するサラリーマンです。そのため、上司からハンコを貰わなければ、話はひとつも前には進みません。
そして、ハンコを貰うために最も有効な判断材料は、決裁権を持つ人からの『それ、売れるの?』という疑問に対するアンサーであることは、言うまでもありません。
つまり、先に最大の障害を取り除いておくことで、議論を円滑に進めることができるようになります。
出版社から選ばれる時代から、自分で出版社を選ぶ時代へ。
さて、電子書籍の登場によって、これまでは、出版社から選んで貰わなければ難しかった出版フローに上記の選択肢が加わった結果、私の中で確たる気持ちが芽生えました。
それは、出版社から選んで貰うのではなく、出版社を選ぶ時代がきたのだということです。
出版はコンテンツビジネスですが、コンテンツビジネスの打率はとても低く、3割バッターで優秀なプロデューサーという説が一般的です。
そんな厳しい現実の中で、すでに市場からの評価を獲得しているコンテンツというものは、金の宝箱と言えるでしょう。
みんなが開けたい金の宝箱があれば、あとは誰に鍵を渡すかを決めるだけです。つまり、どの出版社に作品を預けるか、よくよく吟味して決めることができるようになるのです。
出版社を選ぶ基準。
出版社を選ぶ基準は、人それぞれだと思いますが、参考までに個人的な基準とその理由を述べておきたいと思います。
- 担当編集の情熱
- 好きな出版社
担当編集の情熱は、とても重要だと感じています。本を作るという作業は、かなり気の遠くなる作業です。そのため、もし編集さんのやる気がなければ、最悪、作業が頓挫し、作品が世に出ない可能性も大いにあります。
他にも、良い編集さんに当たれば、著者のレベルがまだその域に達していなかったとしても、プロの校正スキルにより、立派な作品へと昇華して貰うことが可能です。
僕は、技術評論社の池田さんのお世話になることが多いのですが、個人として、とても成長させて頂けたと強く実感しています。
もし好きな出版社があれば、ぜひそこと交渉しましょう。もちろん、自分の本がその出版社のブランドイメージから外れていれば、可能性はありませんが、ちゃんと出版社のもつブランドとマッチしていれば、好きな出版社の方が話は早いはずです。
また、好きな出版社から本を出すことは、自らの喜びにも大きな満足感を与えてくれます。出版社も会社ですので、予算の状況に応じて、発売のタイミングはまちまちですが、待てるのであれば、やはり好きなことろから出すのが1番良いと思います。
出版社とのコンタクト方法
特に好きな出版社がない場合は、基本的に全部の出版社とコンタクトを取り、タイミングや条件を比較して検討すると良いと思います。
これは、紛れもない営業活動ですので、その際には、名刺と数字のあるプレゼン資料をもって行きましょう。
コンタクトの取り方も通常の営業と同じです。メールや電話などてアポを取り、直接会って資料を見せる。もちろん、メールや電話の際にも、目的と数字を完結に伝えておきましょう。
まとめ
近年は、個人の時代だと言われていますが、出版も電子出版の登場によって大きく変化してきています。
もちろん、まだまだ過渡期であり、出版業界の今後の状況についてはよくわかりませんが、本がなくなることはありませんし、情報があふれてきている現代だからこそ本の価値が見直されてきます。
価値の高いコンテンツを公開することは、個人のブランドにも大きくプラスに寄与しますので、もし時間と興味がある人は、ぜひ試してみると良いでしょう。
質の高い情報の集め方。 Who > Review > Google
私は時折、本を書きます。本を書くのはとても大変な作業で、膨大な時間と思考力を使います。そして、多くの著者が1回本を書き上げると、もう2度とこんな辛い経験はごめんだと言います。しかし、時間が経つとまた経験したくなる不思議さを、本を書くという仕事は兼ね備えています。
さて、人は本を書くと何を得られるのでしょうか?
名声?お金?達成感?未経験者の人はそんなものを想像するかもしれません。しかし、私の経験上、それらはあくまで運によって得られるものであり、求めて得られるものではありません。
では、何を得るのでしょうか?
私が本を書いて得られたものは、質の高い情報の集め方でした。何か分からないこと、気になることが出てきた時、その答えを見つけるまでのスピードと精度が劇的に早くなりました。このスキルは本を書くだけではなく、仕事をする上でもとても役に立っています。
私はプログラマーとして非凡な才能は持ち合わせていません。しかし、多くのプログラマーよりも課題解決のスピードに優れているという自信があります。それは、質の高い情報、つまり答えを見つけるスピードと精度が優れているからに他なりません。
本を書くような人は、あらかじめその分野の隅々まで精通していると思うかもしれません。確かにそういう人もおられるでしょう。
しかし、私の場合は前述の通り、エンジニアとしての非凡さや卓越した技能はありません。ましてや、教養のバックグラウンドは高卒レベルです。そのため、何を書くにしても逐一調べる必要があるがため、その中で調べる技術が磨かれていったのです。
ここでは、私が本を書くという経験によって育まれた、質の高い情報の調べ方を紹介していきます。なお、ここで紹介する方法は次の前提条件がありますので、留意して下さい。
- 主に自分の分野であるソフトウェアの視点からの方法です
- 日本語の書籍がまだ出ていないような分野を調べる方法です
- 最新情報を幅広くキャッチアップするための方法ではありません
- 特定分野の情報を、書籍に書けるレベルまで調べ尽くすための方法です
- その上で、できる限り最短期間で回答を得るための方法です
基本的な調べ方
実際に何かを調べる時、どうやって調べているのでしょうか?何か特別な方法があるのかといえば、全くそんなものはなく、皆さんと同じようにGoogleを使ってWebで検索しています。
Googleは大変優秀です。日々進化していると実感しています。またWeb上にはどんどん新しい情報が溢れており、Googleはそれらを綺麗にスクリーニングしてくれています。お陰で、私が本を書く上で必要とする情報に限れば、Webから見つけられない情報は基本的にはありません。
しかし、Webには情報が多すぎたり、正しさの証明が難しいという問題があります。そこで、重要となるのが、情報の正確さを即座に見抜く力であり、それこそが最短で答えを得る結果に繋ります。
ノイズでしかない日本語の情報
少し過激な言葉になりますが、誤解を恐れずに言えば、ある一定の知識水準を越えると、日本語の情報は、Web検索においてノイズへと変化します。
そのため、私はGoogleの設定でデフォルトの検索言語を英語にしています。また、検索に使用するキーワードもアルファベットのみを利用することで、日本語の情報に極力ヒットしないように気をつけています。
こうすることにより、Googleの検索結果のランキングを正常化しています。これだけで検索精度が倍以上になるでしょう。
なぜノイズになるのか
なぜ日本語の情報がノイズになってしまうのでしょうか?私はこの答えとして、以下の3つの原因があると考えています。
- 日本語が一次情報ではないことが多い
- 情報発信者、量が英語に比べて勝負にならないほど少ない
- 英語の更新頻度が早すぎて、日本語情報のアップデートが追いつかない
奇しくも先日、フィンランドでベーシックインカムが実施されるという誤報が日本で出回りましたが、これも上記の理由が当てはまります。
もし、この誤報を鵜呑みにして立場のある人が、メディアで情報を発信する人間がいたとすれば、社会に対して悪影響を及ぼす危険性があります。つまり、この件から見ても、日本語のみで正確な情報を得ることの難しさ、正確性がいかに重要であるかの双方を理解できるかと思います。
質の高い情報を得るための方法
まず、私が情報の質を図るための指標があります。それは、次のような式になります。
- Who > Review > Google
これは、まず、Google 検索ランキングに信頼を置きます。その上で、信頼性の確保が難しい場合は、ページに対するレビューを評価します。それでも難しい場合は、その情報を誰 (個人・団体は問わない) が発信したのかによって判断するというものです。
つまり、最短で質の高い情報にたどり着きたければ、この逆を辿れば良いということになるわけです。
要するに、調べたい情報があれば、まずすべき行動は、その分野のキーマンを調べ上げて把握することであり、調査したい内容があれば、キーマン周辺からの発言を調べ上げれば良いのです。
より具体的な方法
ここからは、より具体的な方法について紹介していきます。例えば、とあるOSSについて調べたいとします。その場合の検索方法は次のようになります。
まずOSSの場合、最も真実といえる情報はソースコードにほかなりません。もし、他になにも情報がなければ、ソースを読むほかないでしょう。
しかし、物事を早く理解したいときにソースコードを読むのは、さすがに支払う時間的コストが多すぎます。そこでまず当たるべきは、オフィシャルドキュメントになるのです。
最近では、普及を促進するためにもソフトウェアの公開に合わせて、かなり詳細なドキュメントを用意してくれていることが多いため、こちらを読めば、ソースコードを読むよりも圧倒的に早く回答にたどり着くことができるため、調査が非常に楽になってきています。
ただし、当然ですが、バージョン合わせてアップデートされているかを必ず確認する必要があります。開発中やリリース前のソフトウェアの場合は、仕様が変更されているケースがありますので、特に気をつけておきましょう。
なお、ドキュメントによっては日本語が用意されているものもあります。ただし、私の経験上、多くのドキュメントは残念ながらオリジナルの英語と比較した場合、古い情報となっているケースがほとんどです。そのため、有志の方には申し訳ありませんが、日本語の情報が間違っていた場合に払うコストを考えれば、最初から英語を読むべきであることは言うまでもありません。
もし、日本語と英語のドキュメントがあれば、私の場合は英語が真であり、日本語は偽と捉えています。つまり、日本語で得た情報は、英語による証明が得られなければ、偽であるという逆説的証明になるわけです。
ドキュメントを見ても欲しい情報が得られなければ、スピードを考えた場合、次はGitHubのイシューから調べます。ここで当たりをつけた上で、ソースコードを読めば、やみくもにソースコードを読むのに比べて、効率よく調査できます。
それでも調べられない情報は、覚悟を決めてソースコードを読むことにしています。
おわりに
最後にこの記事を書いたモチベーションについて述べて締めたいと思います。
本文でも似たようなことを書きましたが、最近、何かを調べものをしているとき、次のことを強く感じました。
- 技術の更新頻度が年々加速しており、日本語によるキャッチアップに限界を感じた
- 日本語で信頼性の高い情報を発信できる人は限りなく少ない
- そんな一握りの日本人もキャッチアップに忙しく、情報のアップデートは困難を極めている
これらは、総じて技術書の書き手が依然として不足しているということにほかなりません。
私は正確で質の高い情報を日本語で伝えることは、金銭では代えられない価値があると信じています。また、日本人エンジニアの総量として、情報の量だけ見れば、以前より確実に増えていると思います。
しかし、量が増えた結果、エビデンスのある情報の割合は、相対的に減少傾向にあると感じています。その結果、情報ノイズの割合が増加し、日本語で正確な情報を掴むことが困難になってしまいました。
情報は無いよりも、有るにこしたことはありません。しかし、ある一定水準を越えると、そうした情報の中から確実に正確な情報を見つけられる技術が必要となってきます。ただ、そういった技術について語られた文章はあまり多くないと思ったので、今回、自分の方法についてまとめてみた次第です。
確かに英語で情報を調べるのは、最初のうちは辛いかもしれませんが、個人的にやってみた経験から言えば、やれば慣れるものなので、覚悟を決めることが大事だと言えるでしょう。
人生において必ずやっておいて損はない分析ツール「ストレングスファインダー」。
ストレングスファインダーという自己分析ツールをご存知でしょうか?
これは、アメリカの採用試験などでも利用されているツールで、簡単に言えば一種の心理テストや適性テストのようなものなのですが、最大の特徴は自分の才能を自覚するためのツールであるところです。
ストレングスファインダーの目的と効果。
一般的に心理テストの類は、どのような結果が出たとしても、ある一定の納得感が得られるようになっていますが、このツールはそういった曖昧なものではなく、自分の持つ才能がどんな性質を持ち、またどのような行動に最適なのかを分かりやすく、とてもクリアに説明してくれています。
それでは、もう少し詳しくストレングスファインダーの概要を説明しましょう。ストレングスファインダーは、
- 人の持つ才能を全34項目に分類する
- その中から、自分の持つ才能の上位5つを導き出す
- その才能を強く自覚することで、強みを生かした行動選択が可能となる
私がこのテスト試したのは、30歳の時でしたが、結果に驚くと同時に、強く納得しました。そして、もっと早くこの結果を知っていれば、多くの問題を回避できたのではと思わざるをえませんでした。
私の評価結果。
例えば、私の結果は次の通りでした。
戦略性
戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的に合った最善の道筋を発見することができます。これは学習できるスキルではありません。これは特異な考え方であり、物事に対する特殊な見方です。(後略)
着想
あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか? 着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明できる考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を発見すると嬉しくなります。(後略)
自己確信
自己確信は自信と共通する点があります。心の奥深くで、あなたは自分の強みを強く確信しています。あなたは自分は絶対出来る――リスクを取ることができ、新しい挑戦をすることができ、そして最も重要なこととして成果を出すことができる――ことを確信しています。(後略)
競争性
「競争性」の原点は比較することにあります。世の中を見渡すとき、あなたは直感的にほかの人の業績に気づきます。彼らの業績は究極の評価基準となります。あなたがどれほど頑張ったとしても、あなたの目的がどれほど価値のあるものであろうと、そして自分の目標を達成していたとしても、競争相手を超えていなければ、その成果が無意味に感じられるのです。(後略)
最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。(後略)
評価を得たときの衝撃と、考え方の変化。
この結果を得たとき、私がどう驚いたかというと、自分はそれまで、社会性やコミュニケーションなどの分野に秀でていると思っていたのですが、それらの才能は自分の中の得意分野では無かったのです。
私は、コミュニケーション能力が高いと思っていたので、その分野を仕事を率先してやろうとしていましたが、なかなか上手くいかず、大きな挫折を経験しました。
しかし、もし、先にこの事実を知っていれば、そういった分野の仕事は、もっと得意な人に任せて、自分は他のことに注力すべきだった、と思ったことでしょう。
僕が信じることとして、得意な分野をとことん突き詰めるべきだと思っています(まさに結果通りなのですがw)。しかし、仕事の上では、不得手な分野に直面することも多くあります。
そんなとき、自分の得手不得手を把握していれば、上手く行かないときに、無用な悩みを抱えずにすみ、解決の糸口も見出しやすくなるのは明かです。
ただ、自分の思う得手不得手が、客観的な評価と異なる可能性が実はあります。これを埋めるためには、基本的には、自分以外の評価を得るしかないのは言うまでもありません。そこで、とても役立つツールが、このストレングス・ファインダーなのです。
知るは一生の得、知らぬは一生の損。
テストは、本を買って、コードを入力するか、最近では直接カードで支払えるようになっているそうですが、個人的には値段がたいして変わらない分、本を買った方が、他の才能も知ることができて、お得だと思います。
「知るは一時の恥、知らぬは一生の恥」といいますが、個人的にこの結果は「知るは一生の得、知らぬは一生の損」だと思っているので、興味があったり、悩みを抱えている人は、ぜに一度トライしてみて下さい。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
- 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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俺が小学2年生のとき書いた『おこるとどれだけそんするか?』がヤバい。
実家にて荷物を整理していたところ、俺が小学2年生の頃に書いた伝説の本『おこるとどれだけそんをするのか?』発掘されました。
この本の存在については、大人になってからも何度か見返していたので、内容も把握していたのですが、デジタルデータとしてまだ保存していなかったので、今回無事にデジタルデータとして保存しました。
何度読み返してみても爆笑必死で、それでいて、とても深みがあり、俺という人間の根源が溢れんばかりに滲み出ています。
こんなヤバいものを大切に保管してくれていたオカンに感謝しつつ、みなさま宜しければご堪能下さい。
もくじ
- 第一部 おこるときどうおこるか 1〜2
- 第二部 こういうかんちがいはしないでほしい 3〜4
- 第三部 おこるとどれだけそんするか 5〜7
- 第四部 ふくしゅう 8〜9
第一部「おこるときどうおこるか」
おこると言うことは、そんである。
おとなは、すぐ、ちょっとしたことでおこる。
だいたいの人が、仕事で、ストレスが、たまり、子どもにやつあたりする。
しかし、かたでももめばすぐに気が変わる。
わたしは、これはふこうへいだと思う。
なぜならおとなは、力でものをおしつける。
いくら子どもが言いわけしても、言いわけするな。!
とか言ってぜんぜんあいてにしません。
第一部おわり
第二部「こういうかんちがいはしないでほしい」
さて、あいてにしないわけは、「あいては、しょせん子どもだ。」と思う人がほとんどです。
しかし、それは大まちがいです。そんなことを思う人はばかです。
では、とう思うかと言うと、「あいては、子どもだからおおめに見よう。」と思うのがふつうです。
あなたは、まちがっても、「あいてはしょせん子どもだ。」と思わないでください。
第二部おわり
第三部「おこるとどれだけそんするか」
おこるとどうしてそんするかというと、おこるたびにしわがふえる。
おこると、子どもがなく、そうするとすぐにあやまらないと、おやにたいして、むくちになる。うらむ。
あやまればゆるしてくれる子どもがいるがもっとひどくなると家出ぼうりょくをふるうふりょうとかになってしまうおそれがあります。
ですから、おこったら、すぐにあやまるという心がなかったらおこらないほうがいいとわたしは、思います。
あぶない子にそだってしまってはおそいからはやめにあやまったほうが、気もちがらくになるとわたしは思います。
第三部おわり
第四部「ふくしゅう」
ふくしゅうは、どういとことでおこるかをしらべて、「あいてはしょせん子どもだ。」と思わないで、「あいては子どもだからおおめに見よう。」と思って、おこったら、すぐにあやまらないととんでもないことになるからとんでもない子にならないうちにあやまりましょう。
これでふくしゅうをおわります。
ぎもんがあるかたは、つぎのページを、見てください。
おわり
この本のねらい
この本はちょっとでも子どもをりかいしてもらうための本です。
まちがって子どものみかたの本と思わないでください。
大竹智也
考察
この本は、私が母親に怒られた悔しい思いをぶつけて書き上げた作品です。怒られた後、一人でごそごそしていたと思ったら、突然この本を渡してきたそうです。なお、第四部の「ふくしゅう」は「復讐」ではなく「復習」という意味ですね。
どうやら、何かものを書くということについては、この頃から好んで行っていたようで、大きくなったいま、本を書いたりするようになったのも頷ける話で、どうやら小さいころからブレていないようです。
お陰で成長してからは、技術書Emacs実践入門を執筆したり、オンライン英会話ラングリッチを起業したり、フィリピン英語留学の語学学校サウスピークを手伝ったり、いまも新しい本を書いたりしています。
大きくなってからの私の考え方は、書籍採用基準の著者である伊賀泰代さんとの対談記事私が今、ぜひとも採用したい人:伊賀泰代×大竹智也【第1回】でお話しています。
もし、自分の子供がこんなものを書いたとしたら、可愛いと思うか、小憎らしいと思うのか正直わかりませんが、やはり、意外と子供は見ているところは見ているということだと思いますので、小学生のお子様がいる方は、ぜひ子育ての参考にしてみてください。
東洋大学の社会学部で講義しました。
先日、高校時代の友人の紹介で東洋大学社会学部の授業で講義する機会を頂いたので、1コマの講義を行いました。
なお、大学の講義は2012年の香川大学について2回目、今年高校でも講義をしたので、学校関係では3回目となりましたが、今回は300名以上ということで、過去最大の人数で面白かったっです。
講義の内容「労働と文化 -フリーターと起業と海外 -」
オーダーとして、仕事や人生の多様性を考える授業とのことなので、僕の人生をベースにして、学生達に考える材料を与えたり、将来の就職についてのアドバイスなど、いわゆるありがたいお言葉を与える内容を考えました。
ただ、香川大学の情報学部と違い、文系については、ただでさえ大学に行っていない身としては、まったくもって未知の人種で、聞き手の将来が具体的に想像できなかったこともあり、伊賀さんとの対談をベースに、自己紹介と自身の経歴、その後、将来にを考える上での現在の社会情勢を交えて、できるだけフラットな内容にまとめました。
将来の目標 / 将来への不安。
自己紹介と経歴の説明を終えた後、将来の目標はありますか? という、ざっくりとした質問から話題を切り替えました。そして、将来の目標はありますか? と続けます。
これは、「まだない」という回答を期待した質問で、これらの疑問について次のようなアドバイスをしました。
不安を解決するためにすべき3つのこと。
具体的なアドバイスとして、まずは、ストレングス・ファインダーという自己分析ツールを紹介しました。
これは、一種の適正検査みたいなもので、自分の才能(得意分野)を導き出し、将来の参考にするという目的のツールです。
次は世の中について知っていますか?(考えたことはありますか?)という質問をして、時事を交えながら最近の社会情勢から、そこまで飛躍せず想像できる社会について話をしました。
あくまで可能性の話ですが、このまま円安・少子高齢化が続けば、普通にありえそうなことだと思っています。
個人的にも、昨日あたりのニュースで、FRBが利上げにポジティブという記事を目にして、せっかく円高の動きが見えたけど、これでまた当面は円安が続くなとあらためて思い直したところです。
最後に目標を決めたら、いますぐ行動しましょうというアドバイスをしました。
当たり前といえば、当たり前なのですが、それでも就活まで特に何もせずに過ごしてしまう人がいるかもしれないと思ったので、そうではなく、学生の内から目標に関連するバイトなど、学外の活動を活発にしながら、できるだけ他人と異なる経験を積みましょうという説明をしました。
その上で、まだ目標が決めきれない人に対しては、スキルを身につけておくと就職の際に役立つので、特に何もなければ、ITや英語を普通の人に負けないくらい勉強しておくと良いでしょうという、わりと普通のアドバイスをしました。
具体的なツールとして、ドットインストールやラングリッチやサウスピークなどを紹介しました。
実行できる人が勝って、実行しない人が負ける。
最後に学生に伝えたこととして、本日は色々なツールや書籍などを紹介しましたが、おそらく、それらを調べてみたり、実行してみたりする人は、2割もいないと思います。
現実社会では、往々にして悩むだけで実行せずに終わる人が多いため、結局、上手くいく人といかない人の違いは、才能以前に「実行する」か「しない」かが大きな要因となっていて、実行しない8割の人が負けて、単純に実行した人が2割の人が勝ってしまったりします。
だから、今日話を聞いてくれたみなさんが、ぜひ2割の方に入ってくれると嬉しいです。というまとめで締め括りました。
この話は、最後に思い出したかのようにお話したのですが、どうやら印象深かったらしく、感想アンケートで、最後の「しない人が負ける」という話は、やろうと思っていてまだ行動していない私の胸にグサリと刺さりました。すぐにやってみようと思います。みたいな回答が結構多かったので、話して良かったと思いました。
質疑応答。
質疑応答では、300人の前で質問する学生はいないだろうと思っていたのですが、一人だけ手を挙げてくれた若者がいました。彼は現在、起業を考えているらしいのですが、質問内容は「どうやって、起業する仲間を見つけたのですか?」というものでした。
僕は、「確かに一人で起業するよりも、仲間と起業した方が成功確率は上がるので、初期のメンバーを集めるのはとても重要だと思います」と前置きしつつ、自分の例(学生時代の同級生)を説明した後、補足として、起業したいということを常に外部にアピールすることで、周りの人の心の中に起業したい/しようとしている人として記憶されるので、もしかすると、声を掛けてくれる人が現われるかもしれないので、常日頃から周りにアピールしておくと良いかもしれません。というアドバイスをしました。
併わせて読みたい。
ちょうど、先ほど岡島悦子が語るヘッドハンターとの付き合い方という記事を読みました。この中で、
人から脳内検索してもらえるように、自分のタグを増やす
キャリアにおいて最も重要なのが、いかに大勢の人に「脳内検索してもらえる人材になるか」ということです。
や、
弱みの克服よりも強みを伸ばす
大事なのは、自分の「比較優位性」、つまりタグのかけ算による希少性と、自己の客観的市場性を理解していること。弱みを克服するのではなく、強みを伸ばすことがポイントです。
など、ということが語られており、僕の講義した内容と大筋近い印象を受けました。他にも興味深い内容が語られていますのでオススメです。
アンケートと僕の感想。
アンケートでは、個人的な興味から、将来の目標はありますか? 将来に不安を感じていますか? すでに行動していますか? という質問に答えてもらったのですが、個人的に印象的な回答は次のようなものでした。
- 将来は地元に戻って地域社会に貢献したい、という目標の人が多い
- メディア系に就職を考えている人は、既に具体形な活動をしている人が多い
地域社会というものを考えたことのない自分にとっては、学生の内からそんなことを考えるなんて、地元に人質でも取られているのか? と冗談を思いつつ、でも、事業をして貢献したいという訳ではなく、公務員になりたいという意見を見ると、それで本当に地域の貢献になるのか、もう少し真剣に考えた方がいいのではと思ったりもしました。
学生さんたちの前で話をするのは、相変わらず刺激的で、また機会があればやってみたいなと思いました。長い話を聞いてくれた学生のみなさん、招待してくれた小川先生、どうもありがとうございました。
Ruby初心者に絶対オススメのAtomパッケージ『rubocop-auto-correct』。
知っている人は知っていましたが、その昔、まつもとさんにEmacs実践入門の本書に寄せてを書いてもらった時、実は僕はまだRubyを1行も書いたことがありませんでした。しかし、あれから3年、いまでは普通にRubyを書くようになりました。
そこで、本日はRubyを書く際に、僕が便利に利用しているAtomパッケージのひとつを紹介したいと思います。
RuboCop。
さて、初心者がRubyを書く際に、とても頼りになるGemがあります。それがRuboCopです。新しい言語を学ぶ際、シンタックスチェッカーは必須ツールですが、RuboCopは、スタイルガイドに従って自分の書いたコードが、RubyとしてGoodかBadか判断して警告してくれるため、他の言語は書いたことあるけどRubyは初めて、という人にとって、とてもありがたいツールです。
そんなRuboCopには「-a / --auto-correct」オプションがあり、これを利用すると、機械的に修正可能なコードを自動的に修正してくれます。
この機能を見たとき、僕はGoのgofmtコマンドと、go-modeのgofmt-before-save()を思い出しました。これは、gofmtコマンドを利用して編集中のバッファを保存タイミングで自動的に整形してくれるという便利機能です。
この機能を利用すると、EmacsでGoを書くとき、インデントを一切気にすることなく、コードを書けるようになるため、これこそがエディタのあるべき姿だと感動していました。
RuboCopとauto-correct機能を見たとき、これはエディタがサポートするべき機能であると直感したため、go-modeを参考にAtomパッケージとして作成したのが、rubocop-auto-correctです。
rubocop-auto-correct。
rubocop-auto-correctを一言で言えば、Atomで編集しているRubyコードにRubocopの-aオプションを適用するパッケージです。具体的な動作は、スクリーンキャストを見ていただくとして、一例を紹介すると、次のような感じです。
# こんなコードが def badName if something test end end # このように自動修正されます def badName test if something end
このパッケージは、いまでは個人的にRubyを書く上で欠かすことのできないツールになっています。例えば、純粋な文字列にダブルクオートを使っていると、RuboCopはシングルクオートを使えとお怒りになりますが、いちいち手で修正するのは面倒で、うっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
そんな時、rubocop-auto-correctがあれば、保存するだけで勝手に修正を行ってくれます。お陰で、言語毎のコーディングスタイルを意識することなく、中身のみに集中してコードを書くことができるようになるのです。
rubocop-auto-correctの設定。
rubocop-auto-correctには幾つかの設定を用意しています。
Auto Runオプション
Auto Runオプションは、有効化するとファイル保存時に自動的に修正してくれるオプションです。僕は有効にして利用しています。
Correct Fileオプション
Correct Fileオプションは、有効化するとバッファではなく、ファイルを直接修正するように動作を変更します。無効化時は、ファイルではなくバッファに修正を行うため、保存するまでファイルには反映されません。僕はこちらも有効にしています。
Notificationオプション
Notificationオプションは、有効化するとRuboCopによって修正が行なわれた場合、AtomのNotificationManagerを利用して通知を行ってくれます。通知がうざい場合は、無効化にしましょう。
Rubocop Command Pathオプション
Rubocop Command Pathオプションは、RuboCopのパスが正しくAtomに伝わっていない場合や、特定のパスにインストールされたRuboCopコマンドを利用したい場合などに、RuboCopコマンドのパスを直接指定するためのオプションです。
標準では、パスなしのrubocopコマンドを利用するようになっています。
その他。
リポジトリはこちらとなっていますので、利用してみて、もし何か要望や改善があればissueなりPRなりでご報告お願いします。
なお、個人的にはこれと同じ機能のESLint版が欲しいと思っているのですが、ESLint 2.0.0で待望の自動修正機能が入るようなので、リリースされたら作成したいと思います。
それでは楽しいRubyライフをお過しください。
ブログ、再開します。
この1年、色々とありましたが、そろそろ禊も済んだということで、気を取り直してブログを再開したいと思います。
更新頻度は多分、そこまで高くありませんが、とりあえず、まずは生存報告まで。
以下、近況。
最近までについて。
すでにご存知の方も多いかと思いますが、ラングリッチは米国イングリッシュセントラルに買収され新たなスタートを切りました。
僕はというと、昨年、体調を崩してしまったため、約1年ほど前線から離れていました(その間、多くの方にご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ありませんでした。)が、この合併に伴なって、2ヶ月ほどアメリカに渡りインテグレーションを行っていました。
アメリカでは実に貴重な経験を得ることができ、また自分の価値観に大きな変化を与える出来事がありました。これについてはまた何か書きたいと思います。
なお、今後しばらくは個人的にフィリピンに行くことなりましたので、もし詳しい話を聞きたい人はフィリピンまでお越し頂くか、帰国後にお会いしましょう。
エディタについて。
エイプリルフールに記事を書きましたが、そのエイプリルフールの裏には更にネタを仕込んでいて、4月にWEB+DB PRESS Vol.86の特集2 実践Atomをご欄になった方は、驚かれたかと思います。
Atomを使い初めたきっかけはまたいつか書きますが、とりあえず、Emacsを使うのはやめていないということは明言しておきます。僕はドッグフーディングしているだけです。
ただ、Atomの設計はとてもよく出来ており、JavaScriptとCSSが使える人が、これからエディタを選択するのであれば、EmacsやVimやSublimeより、Atomの方が絶対に良いと、ここで僕は断言してしまいます。
エディタとしての機能(というかAPI?)は、まだまだEmacsに一日の長がありますが、Atomの成長はめまぐるしいので、2.0くらいでは、どうなるか分からないと僕は思っています。
その他。
まだ、結婚してません。