梅田さんが"ニコニコ動画で「羽生対中川」戦を見た"という話。

上記の記事のコメント欄で棋士窪田義行さんが以下の様なコメントを残しております。

10/14放映のNHK杯本戦トーナメント2回戦第11局・羽生二冠(勝)VS中川七段をニコニコ動画への投稿でお楽しみ頂いたそうで、私も勝負の極北を垣間見た思いに駆られました。
ただ強いて申し上げますと、日本国内でも問題コンテンツのアップロードが久しく問題となっている件は、ご承知の事と存じます。
--- 中略 ---
副次的情報を論拠にしても今回のエントリーはお書きになれたかと存じますが、向後は今少しご配慮下さいます様、謹んでお勧め申し上げます。

それに対して梅田さんが、

NHKにとって将棋番組の映像などロングテールロングテール。そういうロングテール映像については、特に今回のような素晴らしい内容が生まれた場合、「最善手」は、その映像をNHKが自らサイトで無償公開してファンを増やす(需要を増やす-->視聴率を上げる)ような動きをするのが合理的判断と考えます。「次善手」が黙認なのだと思います。そういう考えから、特にニコニコ動画を見たことを隠しませんでした。

と、返答しております。その後、再び窪田さんより、

尤も、日本将棋連盟正会員も正会員たる私としては、「『最善手』も『次善手』も、スポンサーの事業方針に対する非現実的な干渉であり悪手」とご判断申し上げざるを得ません。

というような返事が寄せられておりました。
ただの将棋好きの人であれば、至って普通の記事でも、梅田さんの場合は諌める意見が出てくるのが面白い。

ニコニコ動画を見たことを隠す、隠さない

僕が最初に梅田さんのこの記事を見たときに思ったことは、「なんでその動画へのリンクを張ってないんだよ」って事でした。
普通、ウェブで記事を書いている人であれば、言及記事に対してリンクを張るのは当然の行為でしょう。ですが、それをしなかったというのは、もしかすると梅田さんなりの譲歩だったのかもしれません。
例えば、ナベツネさんが日テレの番組をニコニコ動画で見たと言えば、問題かもしれません。ですが、その問題というのは一体なんなのでしょうか。

窪田さんが指摘しているであろう問題

窪田さんがスポンサーの事業方針に対する非現実的な干渉とおっしゃっていますが、それは現在のニコニコ動画にあげられている行為であり、梅田さんの言う「最善手」はNHKが自らなので、誤解している部分がありそうです。
それはさておき、スポンサーの事業方針というは間違いなくNHKのことだと思いますが、ではNHK杯を見逃した人はどうすれば映像を見ることができるのでしょうか?
僕は相撲ファンなので、見逃した取り組みをどうやったら見れるのか考えていますが、どうしても見ることができなくて困っています。NHKの方針というのは、コンテンツを埋没させる事なのでしょうか。

別に窪田さんが悪いわけではないし、梅田さんが悪いわけでもない

そりゃそうだ。ニコニコ動画に動画をアップロードした人が悪いのか、はたまた映像を一向に公開しないNHKが悪いのか、そんなのはその人の立場によって違うし。
「僕は一度もニコニコ動画YouTubeを見たことがないから、自信をもって著作権侵害を訴えることができる」という人がいたら、それはそれで頭が固すぎるし、「家で自分は楽しんでいるけど、仕事上は違法性を訴える立場にいる」という人であればやっぱり卑怯と言わざろう得ない。
僕の考えとしては、とりあえず相撲の過去の取り組みが見れない、という問題をいち早く解決してもらいたいです。販売するなり、配信するなり、方法は何でもいいんで、とにかく「見れない」から「見ることができる」状態にして欲しいわけですよ。で、そうする気がないのであれば、ネット上にアップされてもとやかく言えないんじゃないかなと思います。まぁ、相撲あげる人なんてほとんどいませんが。

追記

窪田棋士による新たな時を開くかニコニコ動画という記事が翌日に公開されています。
また、Takodoriさんによる「インターネット放送局の立ち上げ」が日本将棋連盟の課題のひとつと、NHK中枢はBBCのオンデマンド放送開始は当然知っているはずという二つの記事も将棋界のネットへの試みを知る上で大変参考になります。