お茶日記 チャイ。

チャイとは東南アジアで生まれたその土地々々の長き歴史によって培われたミルクティーで、飲むというよりも食べるに近いミルクティーである。作り方は多様で、日本におけるカレーの様に各家庭によって味が異なり、現地ではナッツ、しょうが、肉なども材料に使ったそうだ。まあそういう色物はさておき、とりあえず基本的な作り方を紹介しよう。
まず、作る量の4割程度の水を鍋で温め、すぐに茶葉を入れる*1。1分ぐらいで茶葉が開いてくるので、完全に開くのを確認して6割程度の牛乳を鍋に注ぎ、沸騰寸前まで煮込んだら出来上がり*2。注意点としては作るときに鍋をかき混ぜないようにすること。なぜかといえば、紅茶の基本として無理にかき混ぜると、茶葉の繊維が壊れて渋みばかりが出てまろやかさがなくなってしまうからである。
以上のような基本的な作り方を踏襲して各自のバリエーションを加えるのだが、なかなか理想の味には近づかない。僕の理想のチャイは、癖になる臭みと何とも言えない薬味の味だ。いつかのインド料理屋で飲んだ味なのだが、今になっても鮮明に思い出せる。恐らくあれは牛乳ではなく山羊のミルクを使っていたと思われる。さらに香料による味付けが何とも言い難いテイストに仕上げていたのだろう。
本日作ったものはバターを入れてみたが、風味はそれなりに良かったが味がどうもしつこくなってしまった。後で塩を入れるのを忘れていたことに気付いた。驚くかもしれないが、少し入れると味が引き締まるのである。本当なら軽くスパイスを入れて少し香りつけをしたいところだが、悲しくも家には香料が無かった。
さてさて、似たようなものでインドやスリランカに伝わるマサラティーというものがある。チャイとほぼ作り方が同じなのだが、あくまでミルクティーの一種であるチャイに対して、マサラティーハーブティーの一種になる。マサラという言葉自体が数種類のスパイスとハーブをミックスしたものを意味し、紅茶の利尿作用などを利用した一種の薬湯と言える。
作り方のコツとしては、複数のスパイスを均等に合わせるよりも、どれかに焦点を絞った方が、味にメリハリが出て良い。主にシナモン、ジンジャー、カルダモン、クローブ、セージなどが紅茶に合う。更にそこにアーモンド、カシューナッツ、ピーナッツなどを細かく砕いて一緒に煮込むとナッツティーにもなる。僕はナッツが嫌いなので試したことはないが、好きな人にはたまらなく香ばしいはずなので是非試してもらいたい。

*1:ティースプーン中盛りで人数分プラス1杯が基本。

*2:すぐに沸騰するので目を離さないようにする。