5月場所千秋楽。
稀に見る大盛り上りを見せた今場所でしたが、最後は大関日馬富士の初優勝という何とも願ったりの嬉しい結果で幕を閉じました。
最後は、1敗の日馬富士と白鵬、2敗の朝青龍と稀勢の里が優勝を争う展開となったわけですが、日馬富士が琴欧洲を起死回生の首投げで破り、1敗を死守。
朝青龍は昨日の日馬富士戦で痛めた腰が原因か、白鵬の寄りに為す術なく押し出され、1敗を守った2人による優勝決定戦となりました。
白鵬と日馬富士の優勝決定戦は、日馬富士が安馬時代に大関取りの場所で優勝を争ったとき以来2度目。
当時、朝青龍は休場していたので、朝青龍がいる場所での優勝争いの主役となるのは初めてでしたが、前回のような緊張は見られず、立ち会い真っ向からぶつかり、自分の体勢を作り、先手先手の攻めで白鵬を見事に倒し、初優勝を実現しました。
日馬富士は、安馬時代から幕内最軽量(当時 115kg、現 126kg)の力士ながら、真っ向からの攻めで人気を博し、僕も最も応援してきた力士ですが、その日馬富士がついに幕の内最高優勝という栄冠を手にしたというのは、ほんとうに歓喜を飛び越して狂喜に余ります。
来場所は初の綱取りになりますが、大関になり2場所続けて苦渋を舐めていた彼ですから、奇跡を起こしてくれると期待しております。
次の名古屋も今場所以上に盛り上るといいですね。
番外編1:1勝14敗。千秋楽に初日が出た、涙の豊真将。
今場所、密かに注目を集めていたのは、8連敗で負け越した後も、初日が出なかった錣山部屋(元寺尾)の豊真将関です。
久しぶりに三役を狙える地位に帰ってきて期待されていたのですが、どうにもこうにも勝ちが出ず、とうとう14連敗。
千秋楽、これはもう15連敗の記録が出てしまったかと誰もが思ったのですが、窮地を何度も耐え、ついに白星を手にしました。
今場所初の勝ち控えをする彼に目には涙。最後まで諦めない姿に多くの人が心を打たれました。
番外編2:絶体絶命の大関千代大海、千秋楽に勝ち越し。
今まで多くのカド番を経験してきた、大関在位記録を持つ千代大海龍二(33)ですが、先場所2勝13敗というワースト記録を作り、自他共に認める満身創痍。
恐らく大関陥落すれば引退、せめて九州場所までは頑張って欲しい、そういう周囲の応援の中、立ち会い変化で白星をもぎ取るなど、なんとしても勝ち越すという覚悟の中、7勝7敗で迎えた千秋楽。
今場所、調子の悪い関脇把瑠都相手ですが、それは千代大海も同じです。ここまで来たら当たって砕けるだけ。
そういう思いの中、決めた最高の CSP。全世界のチヨスファンが安堵し、また涙しました。ビーチフラッガー改め、プロボーラー・チヨス。
今場所はドラマが多すぎました。