九州場所前半。

今日は中日ですが、その前に前半戦の感想を書いておきます。
今場所は、朝青龍不在、魁皇怪我、関脇安馬大関取りという場所前だったわけですが、始まってみると、大関ボロボロ、安馬連敗、そして力士の支柱、九州はもとより角界の人気を一身に集める魁皇の更なる怪我による休場と、まあ悪い意味で賑やかな場所になってしまいました。
ですが、大関がボロボロというわけで、逆の面白い見方もできます。

くせもの!!大物を食いまくった安美錦

まず、何と言っても安美錦。初日に横綱を破り、更に2日連続で大関を倒し、3日連続のインタビュールーム行き。大物キラーの貫禄を見せつけてくれました。大物キラーと名高い彼ですが、逆に言えばもっと上位に安定して滞在していてもおかしくない訳なんですが、膝の調子次第なんでしょうね。ここまで5勝2敗です。

連敗したものの、徐々に調子を上げてきた安馬

2日目の稀勢の里、3日目の豪栄道と、2連敗してしまった、今場所大関取りを賭ける安馬ですが、初日の立ち会い不成立から、本来の立ち会いが出来なくなってしまっていたんだと僕は思っています。
ですが、4日目の朝に猛特訓をしたらしく、それからは立ち会いの鋭さが戻ってきたように思えます。トライデントタックル(by アイシールド21)と僕が呼んでいる、立ち会いでの下から突き刺さる喉輪も昨日の朝赤龍戦では見られ、まだまだ大関への夢は可能だと信じています。大関陣はボロボロですしね。

やはり怪物か、把瑠都

把瑠都は初日、2日目とまさかの2連敗スタート。せっかくの新関脇なのに、と思っていたら、その後は5連勝。しかも、昨日は体重155kgの普天王を吊り出し気味に土俵際まで持っていってしまいました。誠に圧巻です。
新関脇で勝ち越しとなると、いよいよ、把瑠都大関候補に名前入りですね。

ついに復活か、日本の若手筆頭稀勢の里

今場所の稀勢の里は、いらんところで安馬を破った、個人的にあれな力士ですが、その後の取り組みを見ると、今場所の稀勢の里は一味も二味も違います。
何故か豪風に破れてしまったわけですが、ここまで6勝1敗。こないだまでの腑甲斐無さを払拭してくれるに値する、気迫の籠った取り組みを連日見せてくれています。なので、今日の白鵬戦は非常に楽しみですね。

俺が死ぬか、お前が死ぬか。肉爆弾出島、超炸裂。

出島。出る出る出島の愛称で親しまれる彼の相撲は、至極単純明快。相手を押し出すか、自分が先に下に落ちるか、また組まれたらほぼ負け。という素人さんでも分かりやすく、玄人も一目置く存在です。
その天下一の押し相撲で、一時は大関まで登り、幕内最高優勝を果たした彼も、怪我に悩まされ、長く不調が続いていましたが、今場所はこれまでのうっぷんを晴らすが如く、爆発しています。
昨日、豊ノ島に負けてしまいましたが、現在6勝1敗。肉爆弾の名に相応わしい爆発っぷりを見せてくれています。
ベテランが元気だと、嬉しくなってしまうのが、相撲ファンの性なんでしょうね。

その他もろもろ。

北の富士に「今場所カド番でしょ?」と罵しられた千代大海は、5勝2敗。過去の対戦成績で圧倒している力士には安定して勝ち、豊ノ島という苦手な力士には安定して負けるという彼のスタイルは今場所も健在です。
昨日の豪栄道戦で非常に危うかった白鵬は、今場所好調な稀勢の里に勝てるかどうかで優勝をおおいに占えそうです。
大関雅山は、下位でその実力を如何なく発揮しており、現在負け無しの7連勝。大関取りを目指して、白鵬と優勝争いを演じた数年前が思い出されます。このまま優勝争いをリードして盛り上げてもらいたいですね。
というわけで、今日は中日。明日から後半戦に突入する九州場所を、みなさん頑張って見ていきましょう。