K1 Bringing Web 2.0 to Japan。

EXPO 初日は先ず、Tim O'Reilly氏と伊藤穰一(Joi)氏による、日本とWeb 2.0という基調講演から始まりました。
終わってみれば、この講演が唯一といって良いくらい冷静にWeb 2.0という言葉の意味を見定めていた内容で、それ以外の(特にカクテルパーティの hows という会社の代表の挨拶は酷くて面白かった)では、かなりイケイケな発言が多く、第二のネットバブルを助長させようと必死な発言が多くて、「うわー、うさんくせぇ」という実感を拭いきれない企業が多かったです。

Flickrの成功要因。

Flickrはフォトアルバムという既に多くのサービスが存在していて、この分野ではもう大きな成功は見込めないと誰もが思っていた中で、大きな成功を挙げることができたサービスでした。
その成功要因として挙げられていたのは以下の点でした。

これらを早期に整えたところが肝要だったと纏められていました。

割と日本にダメ出し。

二人のトークの中で、日本でWeb 2.0的ビジネスは、あまり上手くいかないという発言がありました。その理由は、日本ではある程度成長すると典型的な日本企業としての将来に狙いを定めてしまいがちだと言う点が挙げられていました。まぁ、楽天しかりソフトバンクしかりという感じです。
そして、日本では多くの分野で新規参入やスタートアップを展開するには、協力なパートナーがいなければ中々成功しないと。でないと、すぐに大企業に潰されてしまうという、まぁ、そこまでは言っていませんが、そういう事でしょう。
後半でもイーモバイルの話題が出たときに、多くの障害が日本にはあり、それらをくぐり抜けられる企業はほんの一握りだという話が出ましたが、共通していますね。そして、障害を取り除く、一つのヒントとして、海外からの圧力というものも挙げられていました。たしかに、AppleiPhoneを日本で販売することになれば、何かが変わるかもしれませんし、僕も注目するところです。

Mozilla使ったことのある人。

Tim がこの会場でMozillaFirefox)を使ったことのある人?という質問をしましたが、手を挙げたのは半数弱くらいでした。まぁ、僕の思ったよりは多かったのですが、それでもベルリンで彼が聞いたときには、会場で使ったことの無かった人は会場に二人だけだったそうです。
僕が見た感じでは、やはり年配になるにつれて挙手率がどんどん下がっていた様に感じました。同じ様にFlickrを知っている人とか、Twitterを知っている人とか、他のセッションでも同様の質問が何度か出たときにも強く感じました。
単純に、「インターネットの利用度=リテラシ」みたいなもんなわけですが、日本の企業は40代にならないと大きな事はまかせてもらえないということで、日本ではあと20年くらい経たないと、社会変化と呼べるような現象は起きない様が気がしてきました。

日本ではモバイルが盛ん。

日本で唯一と言っていいくらい普及率の進んでいるのはモバイルです。かつ、ウェブの利用も今の高校生くらいだと携帯が一般的だったりします。僕の感覚からしてみても「インターネットを利用している=PC」なのですが、高校生くらいだと携帯からでもインターネットを利用しているという風に変化してきているらいいので、確かにモバイルの分野は日本で希有な存在です。
しかし、残念なのは携帯キャリアの囲い込みが激しいという点です。
アメリカではすでにキャリアマーケット自体が終わりを迎えているらしく、その理由としては、革新の連続で、キャリアの価値がどんどん下がっていったという話です。
携帯産業の話を始めると、記事が長くなりすぎてしまうので、これ以上掘り下げませんが、利用は進んでいるのに、デバイスやソフトウェアの面で遅れてしまってきているのは個人的に残念だと思っています。

まとめ。

最後に個人的な感想ですが、会場でひろゆきとTimの対談記事を目にする事ができ、Tim の言う Web 2.0という言葉に込められた意味を分かりやすく吸収することができました。というわけで、MacBook買って、持っていってほんとに良かったです(何か違う)。