バイトの子の話。

貰った原付を見せびらかしに久しぶりにバイト先に訪れると、こんな日に限ってバイク乗りが一人も居なかった。
仕方ないので、適当な話をしていると、後輩の女の子の首に赤いアザがあるのが目に留まった。まぁ、あきらかにキスマークなのだろうし、バイトの制服はシャツなので首は隠し様がないので仕方ないけど、こないだまで彼氏が居ないと言っていた子なので、しかも軽く驚かしただけで大声を上げるリアクション王なので、突っ込まずにはおれんと思い、他のバイトの子に『首のこをを尋ねてくれ』と頼んだのだが嫌がってばかりなので、結局自分で『首が赤くなってんのは怪我でもしたん?』と聞くと、予想通りの狼狽っぷりで日本語にならない言葉を発しながら顔を赤らめ、『怪我です。きかんとって下さい』と言った。
まぁ、その狼狽っぷりが面白くてこっちもついつい『おめでとう』だの、『熱い怪我をした』のだの、『誰かに言っていいか』だの言っていたら、終いには『もう言わないで下さい』と、泣きそうになっていた。そこでちょっと申し訳なくなってきて、『ごめん、ごめん。もう言わんから』と言いながら逃げるように帰ってきてしまった。
でも、そのことを今誰かに言いたくて仕方なかったりするのが辛いところだ。取りあえず、携帯を手にとったら誰かに連絡を取ってしまいそうな気がかなりする。他の事を考えよう。