日本人を考える / 司馬遼太郎。

今週初めに図書室から借りました。これは現代の日本人、これからの日本人について様々な分野の方と対談した内容を纏めた本です。ちなみにその前は覇王の家でした。司馬さんの本は結構読みましたが、まだまだあります。
大体半分くらい読み終わったんですが、昭和40年代の対談であるのに、ほとんどの内容が今の日本人にぴたりと当てはまっております。恐ろしいくらいです。
例えば、最初の梅棹忠夫さんとの対談では、これからの日本は階級が無くなり史上初めての無層化社会になり・・という話から始まり、組織に属したがらない人間が増えてくる、働くことに疑問を持つ人が多くなるなどと話が膨らみます。
他には、学生の不登校が広がりを見せるだろうとか、教科書など絶対的な理論に依存する書生の精神などなど、現在の日本人を考える上でも看過できない内容を、今から30年くらい前に話していたという。これは、彼らの先見の力が途轍もなかったのか、多くの日本人があまり変化せず時が過ぎたのかはわからないけど、僕は後者だと思いました。
書生臭い自分を思っても、これまで社会から受けてきた影響からきているのだろうと言うことは明確ですし。この保守的なところを見ても、江戸時代の再来ではないのかと思えてきた。やはり、海外からの衝撃が薄れてきたのが原因なのではないでしょうか。今度、日本が大きく変わるのは、宇宙人がやってきたときでしょうね。