表現主義の出発点

オランダ出身のフィンセント・ファン・ゴッホは、伝道師などさまざまな職業を試みたのち、その不安に満ちた激しいな内面世界、宗教的感情を託す手段として絵画を選んだ。
[画像 / ジャガイモを食べる人たち]
修行時代には『ジャガイモを食べる人たち』のような、暗い色調で農民たちの素朴な生活を描いたが、1888年からパリ滞在で印象主義、新印象主義を知り、視覚と技法を一新して強烈な色彩による感情表現への道を歩み始めた。
[画像 / アルルの夜のカフェ]
アルル時代の作品『アルルの夜のカフェ』では夜の生活の退廃に対するゴッホの想い、観念が赤や緑の色彩に託されて激しい表現主義的な画面となっている。
有名な耳切り事件の後1年半で彼は自ら命を絶つが、短い生涯におそるべき情熱で描いたその作品は現代絵画を開く重要な先駆者となった。
[画像 / 叫び]
叫び』で有名なノルウェーエドヴァルト・ムンクなども、ゴッホと並んで20世紀の表現主義の出発点となっている。