本当に悲惨なバイトだった。

忙しさではなく精神的にやばかったです。まず、水から錆というか、鉄分で赤茶色の水になっていました。しかし、それは昨日からで、今日の初めは鉄水だが、徐々に浄化されていくとのことであった。当然それを信じてオープン作業をしていくが、オープン寸前まで水が浄化する気配なし。そのうちお客が店頭に並ぶ始末。社員は半月足らずの新入社員が一人で、実際にこの店の責任者である社員の方は他の店舗にいた。
とりあえず、僕はボスではあるが社員ではない。営業をするというのであれば、それに従うしかない。幸か不幸か、僕は揚場だったので水とはほとんど無縁である(コロモ用の水は前日から冷蔵庫で冷やしておいた冷水を使う)。揚場も今日は人が少ない。全力を出さねばならず、他を気遣う余裕はピーク時には無い。いや、寧ろ絶頂だったと言ってよく、揚げに揚げまくった。
ふと気付くと客の流れが悪い。麺の方へ行くと、どうやら鉄分のせいか、麺が上手く茹で上がらないらしい。麺場の人たちは、客を待たせることに悔しがり、精神的に追い込まれていた。当然、水が駄目では美味しい麺は上がらず、さらに客を待たす状況となれば、評判を落とすのみである。一度閉めるべきかと思っていた矢先、一人のパートの方が『客の不満が募るばかりで、これではとてもやっていけない』と訴えてきたので、僕は責任者に連絡。一時の閉店を訴えて、店を閉めた。
バイトが店舗の営業を中断するという発言をすることは、実に辛かったのだが、他のバイトの悲痛な声を聞き、それでもそれを励ましながら営業することは、とてもじゃないけど出来なかった。本当に今日は悲惨だった。