折角なので。

カンディンスキーさんのことでも少し。Wassily Kandinsky さんはモスクワ生まれの方で、芸術の歴史の中でも非常に意義のある国際的芸術活動の組織『青騎士(デァ・ブラウエ・ライター)』を築いたことでも有名です。まあ、そこらへんのことはキーワードに纏めようと思うので、ここでは僕の考えを書きたいと思います。
先ほども書いた様に、彼は僕の中で最高の抽象画家であります。抽象絵画というのは何が描いているのかよく分らないために、一般的にはあまり好まれていません。確かに、何を意図しているのか分らず、まるで意味の無い抽象絵画は多くあります。しかし、それは真の抽象絵画とは程遠いものであり、そういうものは僕も全くもって好みません。
彼は抽象絵画の始祖とも呼べる人であり、抽象絵画は彼をによって完成したと言っても過言ではないでしょう。その論理は膨大な経験を元に組み立てられており、彼は最後まで抽象絵画が成立するための根拠を捜し求めていたのです。
彼の抽象絵画が他のものと違って惹かれる所以は、その論理性によるためだと思います。抽象絵画の要素は、印象・即興・コンポジションと言われるように、音楽に非常に近い絵画です。音楽でメロディーは大切なのですが、人を惹きつけるための重要な要素というのは、ベースとなるリズムではないでしょうか。それと同じ様に、抽象絵画もリズムというものが不可欠なのです。彼の抽象絵画は圧倒的なリズムが感じられます。それは、彼の絵画はその論理から導き出された複雑な交響曲の様であり、色彩という名の楽器から鳴り響くハーモニーが、緻密に練り上げられた譜面によってリズムが付けられているためなのです。
彼はそんなことをしでかした、偉大な芸術家なのであります。