本を書きたい人に贈る、Atom実践入門を出版するまでの経緯。
7月14日に発売されたAtom実践入門ですが、お陰様で発売初日はAmazonの総合ランキングで133位まで到達することができました。これは、以前出版したEmacs実践入門の最高位を上まわる結果で、幸先の良い滑り出しとなりました。まずは、ここで御礼申し上げます。
今日は、たまに質問される「どうやったら書籍を出版できるんですか?」という質問に回答すべく、この書籍が出版されるまでの経緯を紹介したいと思います。なお、Emacs実践入門のときの出版の経緯も過去に書いています。
最初の企画は個人の電子出版。
この本を書きはじめたきっかけは、2014年の夏頃、Atomに触れてみたとき面白いと思ったので、どうせ調べるのであれば、本でも書こうかと思ったのがきっかけです。僕は以前から、どうせ何を学ぶのであれば、せっかくなら本を書けるくらいまで詳しくなることを目指しており、そのメソッドに従いました。
ただ、本を書けるようになるまでと言っても実際に紙の本を出版するまでは考えていませんでした。そこで、いまの時代は電子による個人出版が可能なので、せっかくなのでそれを試してみようと思いました。
本は既に書いたことがあるため、その経験を使って、まずはターゲットを決め、アウトラインを作成し、そして自分でAtomを触って勉強しながらとりあえず1章を書いてみました。
1章を書いたとき、誰かに感想を聞いてみたと思った僕は、どうせなら以前お世話になった技術評論社の担当編集さんから意見を貰ってみようと思ってコンタクトを取りました。
編集さんからの3つの提案。
ご相談の内容は、「現在Atomに興味があり、個人で電子出版をしてみようかと思っているのですが、ご感想や現在の電子書籍の市場についての意見をお聞かせいただけませんか?」という感じでした。
書き上げたゲラを事前にお渡しして、編集さんと再会して意見を聞いたところ「これは面白そうですね」という嬉しい意見を頂きました。そして、もし良ければ技術評論社で出版しませんか?というオファーもいただきました。
そのときの提案は次の3つです。
- 技術評論社からいきなり書籍を出す
- 技術評論社のWEB+DB PRESSで特集を書き、その後、技術評論社から書籍を出す
- 技術評論社のWEB+DB PRESSで特集を書き、その後、個人の電子出版で書籍を出す
編集さんのオススメはこの中の『2』と『3』で、いきなり書籍を出す前に、WEB+DB PRESSの特集を書くことで市場の評価を聞いてみるのはどうでしょうか?というものでした。
考えた結果『2』を選択したわけですが、その理由としては「WEB+DB PRESS plus シリーズが好きだから」であり、また「編集の池田さんと一緒に仕事をすることで、より質の高い本を読者にお届けできる」からでした。
かくして、4年ぶりに書籍執筆という戦いが幕を開け、壮絶な戦いの結果、企画から約2年の歳月を経てようやく世に出すことができたというわけです。
まとめ
今回、結果として持ち込みという形になったわけですが、きっかけは『まずとりあえず書いてみる』というアクションがあったからに他なりません。とりあえずモノがあって、人から評価してもらえる状態にあったからこそ、話がスムーズに進んで出版に至ったわけです。
もし、技術評論社さんからのオファーがなくても、僕は電子による個人出版をしていたわけですから、いまの時代、とりあえず書いてみてもそれが無駄になることは決っしてありません。
なので、もし出版をしてみたいと思う人はぜひまずは何か書いてみることをオススメします。もし技術評論社さんから出版してみたいと思う人は僕でよければ編集さんにお伺いしてみることは可能ですので、いつでもご連絡ください。
それではまた。
Atom実践入門──進化し続けるハッカブルなエディタ (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 大竹智也
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2016/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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