Atom実践入門、それはエディタの使い方と同時にWeb技術の現在が学べるまったく新しいエディタの本。

2016年7月14日、私にとって『Emacs実践入門』以来4年ぶり2冊目となる書籍『Atom実践入門』が発売されることとなりました。

去年、WEB+DB PRESS Vol.86にてAtom特集を書いたので、もしやと思った勘の鋭い方もおられたかもしれませんが、実はそのときから本書の執筆を行っており、この度ようやく上梓することができたというわけです。

本書は私にとって2冊目の書籍であると同時に、2冊目のエディタの本でもあります。またしてもエディタの本を書いてしまったわけで、これについては色々と思うところがあるのですが、それについてはまた今度詳しく書きたいと思います。本日は、この本に込められた思いについて語っていきます。

はじめてのエディタを使う人にとってベストな解説書を目指して。

エディタの本は、基本的にプログラミングを書く人に向けた書籍です。Emacs実践入門のときは、Emacsという歴史があり、そして癖もある素敵なエディタを、どうすれば思い通りに使いこなせるようになるのかという課題と向き合い、自分の体験を元にできる限り分かりやすく解説することに腐心しました。

しかし、メインの対象読者はあくまでエディタを既に利用したことのある人であり、つまり、既にEmacsを利用したことのある人や、Emacsへの乗り換えを検討している人でした。そのため、エディタの使い方というよりは、Emacsの使い方を中心に解説を行っていました。

ですが、今回のAtomの場合は、はじめてエディタを利用する人をメインの対象読者としました。そのため、エディタとはそもそもどんなソフトなのか、そして何ができるのか? そういったところから丁寧に解説を行いました。

ただ、それでけではただのエディタ解説書止まりです。私としては、読者の方がこの本を読むことで、エディタの使い方だけではなく、それ以上の価値を会得して欲しいという思いがありました。

そこで、AtomというWeb技術によって作られた現時点で最もモダンと言えるアーキテクチャを持つエディタの解説をすることにより、読者は現在のWebエンジニアリングの主流やWeb開発についても学ぶことができ、本書を読み終えたときには、Web開発について一通りの知識を得ることができる本にすれば、エディタの解説書を越えた唯一無二の書籍を作ることができるのではないかと思い、そんな裏目的を持って執筆に取り組みました。

エディタのテクニックだけでなく、Web技術の基礎知識も同時に学べる書籍にしたい。

目次を見てもらうと分かりますが、なんと6章は「Chrome Developer Toolsの使い方とAtomのDOM」となっており、Web開発者にとって必須と言えるDevToolsの解説をしっかりと行なっています。

個人的に、ここまで詳細なDevToolsの解説は、書籍として初めてなのでは?と思っており、これだけでも読む価値があると思っています。

もちろん、これは名目上、Atomのパッケージ開発を行うために必須となるデバッグツールを使いこなせるようになるために解説を行ったわけですが、裏目的としては、Web開発にとって必ず役に立つという理由で詳細に解説を行なっています。

まとめ。

このように本書では、Atomの使い方だけでなく、WEB技術についての解説も行いましたので、Web開発の教科書のような読み物として十分な面白さを盛り込めたのではないかと思っています。

また、付録のコアパッケージリファレンスなど、ばりばりAtomを使っている人にとっても価値のある情報を収録できたかと思います。

本書には、ここで打ち明けた目的以外にも、これまでに執筆経験を元に様々な工夫をこらしていますので、おいおい紹介していきたいと思います。

というわけで、みなさん本書に興味を持たれましたら、ぜひご一読をお願いします。

Atom実践入門──進化し続けるハッカブルなエディタ (WEB+DB PRESS plus)

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