日中韓米の高校生の学力向上意識差。

先ほど晩飯を食ってる時に NHK で流れていたニュースで、日中韓米の学力向上の意識調査について報道していた。
それによると、日本を除く3カ国の高校生に「頭が良くなりたいか?」と言う質問をしたところ、それぞれ70%以上が「はい」と答えたが、日本の高校生は30%代しか「はい」と答えなかったと言う。
それについて、日本のお偉いさんが「こんな事ではいかん」みたいな在り来たりな事を言っていたが、つい、この間まで高校生だった僕にとってみたら、それは当然の結果だと思いました。
だいたい、思うに今の高校生ともなれば、高校生になってまで頭が良くなりたいとは思いませんよ。なぜなら、高校生にとって学力とは、進学力でしかなくて、生活力とは考えていないのです。つまり、学力が如何に高かろうが、生活に直接結びつかないので、学力を高めようなんて意識は働かないのです。文科省の人はそんな事も分からずに、日本の子供の学力低下が心配だとか、親は親で学校に不満とか本当に思っているのかどうか疑問です。
さらに調査では、60%以上が漫画・音楽に高い興味があるとか言ってましたが、それは当たり前じゃないのでしょうか?最も身近なメディア・娯楽だからでしょう。どうせだったら、将来何になりたいか?と言う調査結果も知りたかったところです。多分、多くがサラリーマンとか公務員と答えていそうな予感がします。そうだとしたら、面白い結果ですよね。勉強はしたくない。でも、将来は安定したい。みたいな。
こういう予想になったのは、僕が以前から考えていた、今の日本社会は、子供に仕事の現場を見せなさ過ぎると言う事があります。
今の子供は世の中がどういう仕組みで動いているか良く分かっていないのです。誰がどういう現場で働いているか。アルバイトは非常に身近にあります。しかし、それだけで将来を支えて行くには少し厳しいものがあるという事は分かります。では、他に子供に最も目に見えて身近な仕事はなんなのかと言えば、テレビの仕事であり、音楽の仕事であり、漫画の仕事であり、ゲームの仕事であるわけです。
子供にとって、それらの仕事に学力が直接結びつくと考えられるでしょうか?無理でしょう。中学生までは、なすがままに学校に通って勉強をします。しかし、高校生ともなると、世の中が学力で動いていないと気付く訳です。だから学力向上意識が働かないと言う事になります。
しかし、適当な大学へ行ったとしても、子供の頃に見ていた仕事に就く事はままならないと知る訳です。そして、急に将来への自己防衛が働いた結果、誰もが安定した生活の代名詞の様に口にするサラリーマンや、公務員になるしか希望が無くなる訳です。更に言えば、他にやりたい事が見つからずに、公務員試験浪人みたいな人が増え、フリーターの増加に繋がる訳です。駄目押しで言えば、それらの多くが実は公務員試験の合格すら半ば諦めていて、NEET と呼ばれる集団になってしまったのです。
同世代から見れば、そんな感じですよ。